『シン・仮面ライダー』 ― 「愛」と「自由」を掲げた、現代へのオマージュ。

公開年:2023年 / 監督:庵野秀明 / ジャンル:アクション、ドラマ、ヒーロー

作品概要

特撮の金字塔「仮面ライダー」を、庵野秀明監督が再構築したリブート作品『シン・仮面ライダー』。 「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」に続く“シン・シリーズ”第3弾として、1971年の原点を尊重しつつも、現代の視点から人間と自由、そして愛を問う物語に仕上げている。 主演は池松壮亮。本郷猛=仮面ライダーとして、自らの存在意義と命の使い方を模索する青年を繊細かつ力強く演じる。 ヒロイン・緑川ルリ子を演じる浜辺美波の芯のある演技、そして悪の組織「SHOCKER」に挑む姿は、単なるリメイクではない「新しい神話」としての重みを放っている。

あらすじ

改造人間として生まれ変わった本郷猛は、人類の幸福を掲げる秘密組織「SHOCKER」から逃亡していた。 彼は自由を奪われ、命を兵器として使われることに苦しむが、やがてルリ子と出会い、共にSHOCKERと戦う決意を固める。 しかし、彼が倒していく敵=オーグたちもまた、自らの意思を奪われた存在だった。 彼らを葬るたび、本郷の心には深い葛藤が刻まれていく。 やがて彼は、自身の「自由」と「愛」をかけて、すべての人間を支配しようとするSHOCKERの真の目的に立ち向かう。 それは、仮面ライダーが“人間であること”の意味を問う最終決戦だった。

作品の魅力

『シン・仮面ライダー』は、懐かしさと新しさが完璧に融合した稀有な作品だ。 庵野秀明監督は、仮面ライダーが誕生した1970年代の社会不安と、現代社会における孤独や監視を重ね合わせる。 その演出は実に緻密で、バイクアクションの疾走感と、登場人物たちの心の葛藤が見事に同居している。 特に本郷猛が自らの「生きる意味」を見出す過程は、単なるヒーロー譚を超えた人間ドラマとしての深みを持つ。 仮面をかぶることの“痛み”と“誇り”を、池松壮亮が静かに体現する姿は圧巻であり、観る者の胸に強く響く。 また、浜辺美波演じるルリ子の存在は、希望と献身の象徴として物語を支えている。

音楽について

音楽は鷺巣詩郎が担当。 オーケストラと電子音の融合が、庵野作品特有の「混沌の中の秩序」を見事に表現している。 アクションシーンでは力強く、しかし静かな場面では緻密な旋律が感情を優しく包み込む。 また、原典である石ノ森章太郎作品へのリスペクトを込めたテーマアレンジが随所に散りばめられ、ファンにとっても胸熱な仕掛けとなっている。 エンドロールで流れる主題歌「仮面ライダーのうた」新録版は、過去と現在をつなぐ象徴的なフィナーレだ。

こんな人におすすめ

  • 原作「仮面ライダー」シリーズの精神を受け継ぐ現代版を体感したい人
  • 庵野秀明作品の哲学的なヒーロー観に共鳴する人
  • 人間の「自由」や「存在意義」に興味がある人
  • 特撮やアクション映画を超えた深い人間ドラマを求める人

まとめ

『シン・仮面ライダー』は、ヒーローという概念を再定義する映画だ。 庵野秀明が描いたのは、悪を倒す単純な勧善懲悪の物語ではなく、“自由を奪われた者たちが、どう生きるか”という本質的なテーマ。 それは現代を生きる私たちへのメッセージでもあり、誰もが仮面をかぶりながら生きるこの時代にこそ突き刺さる。 本郷猛の「愛と自由のために」という信念は、すべての人間が抱える痛みと希望の象徴だ。 終幕の一歩手前で見せる本郷の微笑みは、ヒーローではなく“人間”としての仮面ライダーの誕生を静かに告げている。 これは特撮映画であると同時に、庵野秀明自身の「生きる宣言」でもあるのだ。

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